自分のプラクリティ(本質)を知る:ピッタ体質

〜ピッタ〜

ピッタは、変換のエネルギーであり、身体を構成する五大元素では「火元素」と「水元素」からなり(カファ体質とは異なり「水」の要素はとても少ない)、熱性・鋭性・流性・変性・液性といった性質を持ちます。

例えば、体内で食べ物を栄養素に変換する消化は、ピッタのエネルギーです。

また、火にかけることで物質が変化し新しいものが作られます。そういったことから、変化、熱といった特徴が根底にあります。

身体においては、代謝・消化・吸収、熱を司り、免疫力やホルモン、神経系統や消化吸収における体内システムの化学変化もピッタの属性となります。

身体的には中肉中背、筋肉や骨格が適度に発達していて、輝く素肌、スタイルも良い人が多いようです。

ピッタ体質の人は、集中力がありチャレンジ精神に溢れています。 知性が高く、情報の収集や分析能力に優れています。

「to do list」を作って、一つ一つ着実にクリアしていくのが好きなタイプです。

一方で、ピッタは激しさを持ち合わせているため、何事においても完璧主義になりがちで、短気で怒りっぽく、負けず嫌いなところがあります。

体質としても、身体のあちこちに熱を持ちやすく、手足や皮膚、眼、胃や腸といった内臓においても熱を帯びやすい傾向があります。

体温が高く代謝が良いため、暑さや強い光が苦手で、日焼けしやすく、皮膚の炎症や眼の充血なども起こしやすい体質です。

若白髪、若禿げになる傾向もあります。

アーユルヴェーダにおける「消化の火(アグニ)」が強く、食欲も旺盛です。 食事を抜いたり、あるいはいつもより食事の時間が遅れて空腹感に襲われると、ピッタは我慢が出来なくなります。食欲旺盛の反面、体調を崩すと、下痢や胃腸の調子が悪くなりがちです。

ドーシャとは、人の身体の特徴にのみにいえるものではなく、様々な体のエリアに対応していたり、場所や時間、年齢、心の性質においても深く関わっています。

ピッタは物事の中間を担っています。

体はお腹辺りを、年齢は青年期を、季節は夏から秋、時間帯は昼に活発になります。

主に対応する体のエリア

おへそ、体液、血液、汗、肌、目、脳、肝臓、すい臓、胆のう、内分泌腺

ピッタの中心となる場所はおへそです。基本的にはおへそより上、胸より下がピッタのエリアです。

■年齢

ドーシャは年齢も大きく関係します。

ピッタは青年期〜壮年期にかけてアンバランスになりやすくなります。

よく脂の乗った時期などという表現がありますが、まさにピッタに当てはまる表現です。

エネルギッシュで感情的でもあり、頭の回転、理解力、咀嚼力のあるピッタのエネルギーがピークの時期です。

仕事上の立場、家族としての役割など責任が大きくなる時期なので、ストレスを食べ物やアルコールで発散する人が多くもあります。

それがピッタをさらに乱します。定年退職後に一息ついたと思ったら、大病を煩った、というケースも少なくありません。

もともとピッタ体質の人は、カフェイン、アルコール、スパイシーなもの、肉食、揚げ物は注意が必要です。

ピッタ体質の人こそ、上記の食物を好む傾向があるのでアドバイスする際はこちらも辛いものがありますが・・・。

■季節

ドーシャは季節とも対応します。

ピッタは夏から秋にかけて増加します。

日本人はなぜか暑い時期こそ激辛料理を食べる傾向がありますが、ピッタ体質の人は厳禁です。

もともとピッタの特徴は、情熱と知性を持ち、効率主義で、目的に一直線に進む行動力を持ちます。

また大食いの人が多く、消化力もパワフル。それが辛い料理で高まりすぎると、情熱が灼熱になり、周りを焼き尽くし、知性や行動力は他者がついていけないほどに。

そして血液の温度と酸が上がり、胃腸が正常に動かなくなり、目にも熱がこもって充血やドライアイを引き起こします。

■時間帯

ドーシャは一日の時間の中でも現れます。

ピッタはpm10:00-14:00、am22:00-2:00頃に活発になります。

一日の中で最も消化力の高いpm10:00-14:00に、しっかり食べましょう。

am22:00-2:00頃もピッタ優勢の時間帯なので、目や脳が冴え渡り、夜更かしや仕事がはかどる方もいることでしょう。

しかしこの時間帯に眠ることは、嫌な記憶を消去し、次に日中学習した固定したい記憶を定着させる重要な役割があります。

嫌なことがあったら寝てしまうというのは、ある意味理にかなっています。

大学時代、短期記憶と長期記憶の実験をしたことがありましたが、長期記憶のためには、一夜漬けは効果がなく、睡眠を取ることで記憶を固定することができるという結果が出たことを思い出します。

眠ることによって、次の日の情報処理能力も高まるので、せめて日付が変わる前には眠りたいですね。

■食事のポイント

勧められる食事

【甘味、渋味、苦味、冷性

野菜(甘味、苦味の多いもの)…キャベツ、ジャガイモ、ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス、ナス、レンコン、カボチャ、緑黄色野菜など。

果物…リンゴ、オレンジ、バナナ、ブドウ、梨、桃、柿など、よく熟して甘味の多いもの。 スパイスは、コリアンダー、カルダモン、ターメリック、サフランなど。 肉類は鶏肉など(なるべく控える)、牛乳、バター(無塩)】

控えるとよい食事

【しょっぱいもの、脂っこいもの、酸っぱいもの、揚げ物や調理しすぎのもの、カロリーの高いもの、過剰にスパイスがきいているもの、動物性の肉、卵の摂りすぎ、ごま油、トマト、唐辛子、ニンニク、生タマネギ、カフェイン、アルコール】

・ピッタ体質は通常、食欲、消化力が強く、規則的にそれらは満たされる必要があります。

食欲が強いため、空腹感も強く、イライラや時には怒りが爆発することがあります。

・ 辛くてスパイシーなものや肉類や脂肪分の多い食事、アルコールやコーヒー類の刺激物は控えた方が、胃腸の不調、湿疹、気持ちの高ぶりが抑えられます。

・ピッタを鎮める味は、甘味、苦み、渋みであり、熱を下げる冷たい食事(生野菜、果物)や水分を多く摂りましょう。

■ライフスタイル

敏感な感情を緩和する穏やかな環境を作りましょう。競争心が強いので、勝ち負けのあるものは控えて、静かで落ち着いたものに触れるようにしましょう。

■運動

涼しい場所でのウォーキングや森林浴で気分をリフレッシュしましょう。 精神と肉体の調和をもたらす運動(ヨガ、リクラゼーション、水泳など)がおすすめです。